イタリアの車

イタリアの車ってホントに傷だらけ。運転も駐車もおおざっぱで、みんなが先を急ぐからそこら中でぶつけるのだ。今日ママが車を出したときもものすごく豪快だった。
まず車が、前後にほとんど隙間が無い状態で縦列駐車されてる。これでホントに出せるの?ってママに聞くと、私の運転歴は40年近いのよ、任せておきなさいって言う。でもこの任せておきなさい!がクセモノ。日本みたいにぶつけないようにするっていう意識はまるでない。前にも後ろにもガンガンぶつけながら出すのだ。前後の車の持ち主が来たら怒っちゃうんじゃないかと思うんだけど。ってことでイタリアに傷の無い車がほとんど無い理由の一つを見た。
息子のビアッジョの家は海岸沿いの崖の上の町にある。そこに行くには細い道が多くて、車一台分しか幅が無い道路が2箇所ある。その前後には信号があって、3分置きに切り替わる。ここもまたクセモノで、何故かこの一台しか通れない道の途中で車を停める人がいるのだ。誰かを下ろすためであったり、荷物を下ろすためであったり、途中にある店で何かを買いに走る人までいるし、コーヒーを飲みに行く人までいるっていう。・・・信じられない。その間後ろにいる車は動けないし、3分で信号は変わっちゃうから、反対車線の車が走り出したらどうするのか。
今日は、前の車が途中で止まったと思ったら運転手以外の3人の人がゆっくりと降りてきた。それで終わりかと思いきや、更にトランクから大量の荷物を下ろしはじめた。ママは慣れてるみたいで平気だけど、私ははらはら。やっと終わったと思ったら私達にいいわけをする。こんなに荷物があるんだから仕方ないでしょ?って。でも見るとその車、ほんの10mほど先のスペースに停めるのだ。…それくらい、持って歩けるでしょ?
ママはイタリア人は自由なのよ、誰も人のこと気にしないのよっていう。ホント、そうなのだ。昨日授業でナポリ民謡を習ったときにも先生がナポリの人をこう説明してくれた。自分の家をきれいにしたいから、ごみがあったら通りに投げ捨てるのよ。ほうきで床をはいてたら、そのまま通りにほこりを落とすのよ。ドアを閉めれば通りは見えない。自分のところはきれいになって満足する。これがナポリよ。って。うぅーーん、さすがだ。