ナポリからローマへ

ナポリからはインターシティ。切符を買うときに席を予約したのに、そこにイタリア人が座っていた。予約した席、4つ全部人がいる。席を予約したからどいて欲しいって言ったら、全員が怒り始めた。そんな仕組みは無いって言い出したり、私達は遠くから乗ってきて疲れてるんだって言い出す。切符を見せろって言うから見せたから間違いじゃないってわかったはずなのに、誰一人どこうとしない。他の席を探せっていう。周りを覗いてみたけど、一つずつ空席がバラバラにあるだけ。母親達をバラバラに座らせるのは恐くて出来ないから無理だって言うと、駅員を呼んでこいって言う。駅員を探してみたけど周りにはいない。通路に立ってたイギリス人のお兄ちゃんが私達の味方になって駅員を探しに行ってくれたんだけど、連れてきたのは食堂車のお兄ちゃん。状況を喋ってみたけど、俺の仕事じゃないってすぐに帰ってしまった。車掌さんが来るまで待つしか無いなぁと通路で待つことにした。
私達が予約した席に座ってたのは、おじちゃん2人、若いお兄ちゃん一人、おばちゃん一人。皆ばらばら。おばちゃんだけは隣に旦那さんが座ってたけど、旦那さんの席は関係無かった。私達が立ってるのが気になったのか、おじちゃん一人は他の席に移動してくれた。取り敢えず母親を座らせる。と、おばちゃんの旦那さんが席を探しに行ってくれた。彼の席は関係無いのに、おばちゃんをどかせてくれるために探してくれたみたい。おばちゃん自身はそんな仕組みは無いってつぶやくばっかりだったんだけど。で、二つ席を見つけてきてくれて、移動してくれた。これで3つの席を確保。次にもう一人のおじちゃんが席を探しに行ってくれた。でもこのおじちゃん、移動するのを見てたらすごい荷物。ちょっと気の毒だった。っていうか、最後に残ってるお兄ちゃんがどけばいいのに、って思ったんだけど、この子、にらむばっかりで全然どこうとしない。結局4つの席が空いたから、確かにどく必要は無いんだけど、こっちが予約した席だってかよちゃんがジェスチャで伝えると、4つあるからいいじゃないかってにらみ返す。この子の眼光がかなり鋭くてホント、恐い。
結局その男の子を囲むように座ることになってしまった。私が隣、かよちゃんがまん前。私の前に私の友達、私の反対側の隣に母親。一番遠い母親は眠り始めたけど、私は…恐かった。だって彼、ずっと私をにらんでるんだもの。真隣からにらまれるから、痛いほど視線を感じる。携帯をグルグル回してるし、鞄を出したりするといつナイフが出てくるかと…。出てきたのはパニーニだったけど。シチリアから来た子だし、視線の強さからかなり悪そうな子だなぁって思ってたから、ホント、恐かった。うちの母親以外は、寝たら負けだよねって言って皆でがんばって起きてたんだけど、ずっと緊張しっぱなし。辛い電車の旅でした。
インターシティの席は前は私も予約したことが無かったんだけど、座ってて予約してた人達がやってきたことが何度かあったから最近は予約することにしてる。人の席に座っててどかされるのってあんまりいい気分じゃないもの。今までどかない人達は見たことが無いんだけど…私達が日本人だったからなめられちゃったのかなぁ。イタリア語を喋るのが私だけだから、皆の視線が自分に集中するのもあって、かなり疲れちゃった。かよちゃんが鋭い眼光と通じないけどきつめの日本語で助けてくれて嬉しかった。