イタリア時間に慣れてしまった…

時差ぼけもまだ治っていないんだけど、イタリアでの時間感覚に慣れてしまった。まだ誰とも待ち合わせしたりしてないし、仕事を始めた訳でもないからいいけど、早く日本の感覚に戻らなきゃ!って思う。とにかく、日本人とイタリア人の時間間隔って、、、全く違うのだ。

たとえば、ゆんぢに習った言葉、”ウンノレッタ(Un' oretta)”。”大体一時間”っていう意味なのだけれど、イタリア人が”あとウンノレッタで”って言うと、2,3時間待つことになる。”大体一時間”っていう言葉があること自体が面白い。辞書で調べると”オレッタ”って言うのは小一時間っていう意味なんだけど、ちっとも小一時間じゃない。1時間で!って言うと、1時間から2時間の間。5分って言うと15分。
たとえば家で、息子が出かける準備を始める。相手から電話がかかってきて、まだ来ないのか?って怒られる。完全に遅刻してるみたいなのに、もう家を出て向かってる、すぐ着くから!って答える。まだ準備を始めたばかりで家も出てないのに。
八百屋さんが荷物を3時に配達するっていうからずっと家で待ってたら、7時前にやっと届いたりもした。3時って言ったでしょ?っていうと、笑って肩をすくめるだけ…。
電車だって15分遅れっていうのが30分遅れで来るし、飛行機もあと数分で着陸しますってアナウンスしてから(英語ではあと5分って言ってた)20分後にやっと着陸した。そんなに早くアナウンスしなきゃいいのに。

ママが夜出かけようっていうから、何時ごろ?って聞くと、夜…って答える。決められないし、決めたくないのだ。なかなか出かけないなぁって思ってると、寒いから止めようとか、友達が来ることになっちゃったって予定はキャンセルされる。
私が友達と出かける約束をしてる日に天気が悪いと、ママに止めなさいって言われる。約束したから行くっていうと、変な子ねぇ、って言われちゃうのだ。

こんなことの繰り返しで、すっかり私も慣れてしまった。時間だけじゃなくて、予定も簡単に変わるし、無くなる。最初はちょっとイライラしたりもしたけど…途中からイタリア人の言葉を全部は信用しないようになってきた。その分、誰かが言った通りの時間に来たり、約束を守ってくれるとかなり嬉しい。
自分もあんまりきちんと予定を決める必要が無い。何か用事が出来たり、調子が悪くなったり、寒かったりして予定を止めてもそんなに文句を言う人はいない。言い訳の必要が無い。飲む約束があって、寒いから嫌だなぁって思ってたりすると、相手からちゃんと、寒いから出かけるのを止めますってメッセージが入るんだもの。
これはこれでイタリアでは楽ちんでとてもいいです。日本ではできないケド。