フィレンツェからローマへ

フィレンツェの朝は寒い。ホテルは暖かいケド、一歩外に出ると空気の冷たさが肌にしみる。サレルノでも寒い日が何度かあったけど、全然違う寒さ。これから先はローマ、ナポリだからちょっとほっとする。
ユーロスターで3時間、ローマに到着。ユーロスターってきれいでいいんだけど、2等席だとちょっと狭い。向き合う形で真中に小さなテーブルがあるんだけど、前の人とテーブルの下で足がぶつかってしまうのだ。背が高い人が前に座ると大変。私は母親と向き合ってたから良かったけど、かよちゃんは前に背が高い女の人が座って、ちょっと窮屈そうだった。インターシティの方が広くていいな。
ローマに着いてホテルにチェックイン。母親とかよちゃんを残して私は一人で友達を迎えに空港へ。途中雨が降り出した。友達の飛行機は時間より早く到着。少し手間取ったらしくて他の日本人よりだいぶ後に出てきたから心配しちゃったけど、無事に会えてホッとした。…が、ホテルに戻ると母親達の様子がおかしい。2人ともベッドに入ってるのだ。
聞くと、暖房がつかないっていう。見てみると、壁に設置されてる暖房が傾いている。中をお湯が通って温まる仕組みなんだけど、お湯が通ってる気配がない。イタリア語が喋れない母親達はずっと私達の帰りを待ってて…部屋の中で凍えて、ベッドに入っていたのだ。しかも4人部屋で2階がある部屋だったから、天井が高くて部屋も広くて…とにかく寒い。早速電話して暖房が効かないことを告げると、おじちゃんがやってきて傾いた暖房を直し始める。がんばった結果、お湯は出たけど、全部床に漏れてしまい、あっという間にじゅうたんがびしょぬれ。どうみても壊れてる。去年から使ってないに違いない。あぁぁ。どんどん時間は経つし、母親たちは寒い部屋の中に2時間近くいるから冷え切ってる。他の部屋を用意してくれって頼んでも、無いって断られるばかり。なんてこった。後から電気屋別のおじちゃんが修理に来たけどこりゃだめだ、ってすぐ諦めてしまった。しつこく粘るしかないから、何度も電話して、とにかく寒いんだって言うんだけど、待てって言われるばかり。イタリア語が喋れない母親までフロントに出かけて日本語で文句を言ってくれたけど、それも効かない。最後は電気ヒーターを一つ持ってくるって言う。部屋が広いからそれじゃあ足りないって言ったケド、暖かいからって聞いてくれない。粘りに粘って最後にやっと、系列ホテルの部屋が開いてるって言い出した。助かった。。。ここまで要した時間、文句を言い始めてから1時間ちょい。疲れきってしまった。
移動するホテルは近いっていうから安心してスーツケースをまとめ、移動した。勿論全然近く無い。まぁ駅のまん前で、私も泊まったことがあるホテルだったから少し安心。部屋に入るとかなり狭いけど暖房はしっかり効いた。やっと落ち着けた。このホテルは空室が無い日があって諦めたホテルだった。今回は3人部屋に無理矢理ベッドを一つ入れたのだ。元にいたホテル、夏に妹と泊まったときも一人で泊まったときも何も問題無かったんだけど・・・今回はよっぽどついてないのか、夏は運が良かっただけなのか…。
結局7時過ぎに全部解決して、友達が行きたがってたお店が7時半までの営業だったから、皆で慌ててタクシーに乗った。…が、お店に着いたらちょっと前に閉まったって言われてしまった。ガイドブックが間違ってたのか、イタリア人の気まぐれなのか…。ホテルでのトラブルさえ無ければ間に合ったんだけど。仕方なくその辺りをウロウロして、日本で知り合ったイタリア人に聞いたお店に夕食に出かけた。”Il Gusto”。言われた通り、チーズの盛り合わせやサラミの盛り合わせが幾つもある。ワインもいっぱい。席の真後ろがチーズ置き場で、そこでお兄ちゃんがチーズを切ってる。それを眺めるのは楽しいんだけど、従業員カップルがいちゃいちゃするし、男の子同士のカップルもいて、彼らもいちゃいちゃしてる。…面白いんだけど、その前にお皿をこっちに運んで欲しい。
イタリアのレストランやバールでこういう光景を良く目にするから慣れてたけど、母親達はびっくり。フィレンツェでBARのお兄ちゃんが注文を取りに来る前にビールを一杯飲んでからやってきたときもびっくりしてた。バールで働いてた私の友達たちは、仕事中は飲み放題だって言ってたから、私は慣れてたけど、確かに日本じゃ見ない光景だ。
ここの料理はどれも美味しくて皆満足。チーズと一緒に蜂蜜が出てきて、それをチーズにつけて食べるのも美味しかった。蜂蜜をつけるのはブルーチーズだけだと思ってました。唯一イマイチだったのはモッツァレラ。これはまずかった。やっぱりナポリ、ソレント、サレルノ辺りに行かないと美味しいモッツァレラは食べられないのだ。